12種類のレンチ【特徴と用途】

ボルト・ナットの締結や取り外しでよく使われるのがレンチです。
ここでは、レンチの種類とその用途について解説していきます。
レンチの種類
ここからは12種類のレンチについて解説していきます。
メガネレンチ
メガネレンチは、両端が丸形で閉じた形状になっているレンチで、その形がメガネのように見えることからメガネレンチと呼ばれています。
メガネレンチには、両方のサイズがそれぞれ異なるの特徴があり、例えば片方が17mmだと、もう片方が19mmの大きさになっています。
さまざまな大きさの六角や四角のボルトに適合するように設計されています。
モンキーレンチ
モンキーレンチは、一端が開口になっていて、その開口部の大きさを螺旋状のネジで大きくしたり小さくしたりできます。
開口部のサイズを調整できるので、幅広い大きさのボルト・ナットに対応させることができます。
サイズが固定されたメガネレンチやスパナではサイズが合わないときに、重宝するレンチです。
モーターレンチ
モーターレンチは、モンキーレンチと同様に開口部のサイズを調整できるレンチです。
モンキーレンチと異なり、開口部の移動方向が持ち手に沿って動くので、モンキーレンチ以上に幅広いサイズに対応できるようになっています。
主に、水道管で使われる止水栓、バルブ、継ぎ手など、呼び(ナットのサイズ)が大きいナットを緩めたり締めたりするときに使われます。
ソケットレンチ
ソケットレンチは、一定方向にだけ締められるラチェット機構を利用したレンチです。
ラチェット機構は、ある方向ではボルト・ナットを回せるときに、反対方向には空転してボルト・ナットが回らないようになっています。
したがって、レンチを都度外さずにナットやボルトを素早く緩めたり締めたりすることができます。
コンビネーションレンチ
コンビネーションレンチは、片方がスパナ形状、もう片方がメガネレンチの形状になっているレンチです。
コンビネーションスパナという呼び方もされます。
コンビネーションレンチは、スパナ側が対応する径と、レンチ側が対応する径が同じになっています。
レンチを使える場所ではレンチ側を使えて、レンチを使いにくい場所ではスパナ側を使えるようになっています
ラチェットレンチ
ラチェットレンチは、レンチの片方または両方にラチェット装置を持っているレンチです。
ラチェット機構によって、レンチを回すたびに位置を再調整することなく、レンチを回して締めたり緩めたりすることができます。
狭い場所でも素早く容易に作業するのに最適なレンチです。
トルクレンチ
トルクレンチは、締結部に一定のトルクを与えるようにしたレンチです。
トルクレンチを使うことで、締結部が締まりすぎたり、締まりが甘かったりすることをなくせます。
与えられるトルクは、トルクレンチごとに決まっています。
トルクレンチは、一般的に車輪のナットを締め付けるために使用されるほか、自転車や産業機械などで特定のトルクでナットやボルトを締め付ける必要があるときに使われます。
トルク値をデジタル表示できるデジタル式もあります。
ハンドルレンチ
ハンドルレンチは、長いハンドルがついたレンチです。
様々な形状のハンドルレンチがありますが、いずれも通常のレンチよりも素早く取り外しせるのが特徴です。
パイプレンチ
パイプレンチは、金属製のパイプ(水道管・ガス管など)や継手を固定するために使用する。
パイプには、ボルト・ナットのように引っかかり部分がないので、パイプレンチ側の溝でパイプを引っ掛けるようにして使います。
パイプレンチは、モーターレンチと一緒に使われることもあります。
パイプレンチを使う際には、溝でパイプの表面を傷つけないように注意する必要があります。
オイルフィルターレンチ
オイルフィルターレンチは、自動車などのエンジンオイルを交換するときに取り外すオイルフィルターを外すために使われるレンチです。
オイルフィルターレンチには、複数の種類があります。
オイルフィルターの設置箇所の周囲にスペースがない場合は、使えるレンチの種類が限られるので注意が必要です。
クローフットレンチ
クローフットレンチは、ハンドルがないレンチで、ソケットやレンチが入らない狭いスペースに使用する工具です。
クローフットレンチは、自動車や産業機械などの油圧配管で使用されるほか、ブレーキパイプのナットを外すときにも使います。
エクステンションバーによって延長すれば、奥まった場所でも締結作業をすることができます。
クロウフットレンチ単体では使えないので、必ずスピンナーハンドルと組み合わせる必要があります
インパクトレンチ
インパクトレンチは、電気やエアコンプレッサーなどを使用したレンチです。
コードレスのインパクトレンチの場合、充電式電池によって動き、その外観は電動ドリルに似ています。
手動よりも高トルクを実現できるので、固いナットやボルトを取り外すときに重宝されます。
レンチの選び方
レンチを選ぶ際に重要となるポイントが2つあります。
用途・使用場面
最初のポイントは、用途と使用場面です。
例えば、水道配管を締め付けるためなら、モーターレンチやパイプレンチが必要になりますし、トルク管理が求められるところではトルクレンチが必要になります。
また、素早く作業をしたいのであれば、インパクトレンチや、ソケットレンチ、ラチェットレンチが適しています。
特にこだわりがなければ、メガネレンチや、サイズ調整できるモンキーレンチを選ぶのがよいでしょう。
サイズ
次に重要となるのが、締結する相手物となるボルト・ナットなどのサイズです。
サイズによって、選択すべきレンチの大きさが変わる可能性があるからです。
相手のサイズが複数あるなら、複数のサイズに対応できるメガネレンチのセットか、モンキーレンチなどを選ぶのが無難です。
ただし、モンキーレンチにはサイズの調整幅があり、調整幅以上のナットは回せないので、どこまで対応できるのかは事前に確認しておきましょう。
まとめ
レンチの種類と用途に関して解説しました。
こちらで紹介したレンチの種類と用途が参考になれば幸いです。