マイクロメーターは、ノギスによる目盛りの測定を改良したものです。
ノギスの精度は0.02mmですが、精密作業においては、より高い精度と感度が要求されるため、これらを兼ね備えた測定器を使用することが望まれています。
そこで用いられるのが、マイクロメーターです。
マイクロメーターの仕組みは、ネジとナットの原理でできています。
ナットがねじに沿って移動する距離は、ナットの回転数に比例します。
このナットの回転数を制御することで、ナットがねじに沿って移動する距離を正確に計測することができます。
マイクロメーターの種類
ここからはマイクロメーターの種類について解説していきます。
標準マイクロメーター
標準マイクロメーターは、その名のとおり最も標準的に用いられるマイクロメーターで、測定物の外側の寸法を測るときに使われます。
そのため、外側マイクロメーターとも呼ばれます。
標準マイクロメーターは、比較的高い精度が要求される小型の部品の寸法測定に使用されます。
さまざまな用途に対応できるよう、さまざまなパターンで製造されています。
例えば、アンビル(マイクロメーター測定部の固定側)やスピンドル(測定部の可動側)の先端が、球面、平面、円板、スプライン、ブレード、ナイフエッジ、ポイントなどの形状を使うこともあります。
内側マイクロメーター
内側マイクロメーターは、文字通り測定物の内径を計測するときに使われます。
外側マイクロメーターが持っているU字型のフレームとスピンドルはありません。
片方のジョー(爪)は先端に固定されて、もう片方の爪が動くことによって内径を計測します。
内側をマイクロメーターは、小さな内径寸法の検査に使用され、測定範囲は5〜50mm程度です。
深さマイクロメーター
深さマイクロメーターは、穴の深さを測定するためのマイクロメーターで、穴や溝、凹部の深さを測定するために使用されます。
深さマイクロメーターで測定できる範囲は、一般的に0~225mm程度です。
ネジは、20mmまたは25mmの範囲で稼働します。
測定範囲が広くなる場合は、エクステンションロッドを使用する必要があります。
ベンチマイクロメーター
ベンチマイクロメーターは、1/2マイクロメートル程度の検査など、高精度な作業に使用されます。
拡大鏡の原理を応用していて、アンビルの間隔0.01mmは分割幅1mmに相当する、つまり実際の距離は100倍に拡大されています。
精度が高く、測定圧を一定に保ちながら測定できることが利点ですが、一方で、比較のためにしか使用できないことと、感度が高すぎて誤差も大きくなってしまう欠点もあります。
ボアマイクロメーター
ボアマイクロメーターは、一般的に3つのアンビルヘッドで構成されていて、マイクロメーターのベース部分で内径を正確に測定するために使用されます。
U字形鋼板マイクロメーター
鋼板の厚みを測定するためのU字形鋼板マイクロメータです。
歯厚マイクロメーター
平歯車・はずば歯車の測定するための形状をしたマイクロメーターです。
ブレードマイクロメーター
狭い溝や、O-リング溝の測定に役立つように、先端を細く揃えたタイプのマイクロメーターです。
マイクロメーターの目盛りの種類
マイクロメーターの目盛りには、目盛りを直接読み取るアナログ式と、計測した寸法を数字で表示するデジタル式があります。
アナログ式は、安価であることが利点ですが、数値が読み取りにくかったり、読み取り誤差を生じてしまったりする欠点があります。
一方で、デジタル式は、数値の読み取りが簡単で、読み取り誤差を防げる一方で、価格が高くなるという欠点があります。
以下、代表的なデジタルマイクロメーターです。
まとめ
マイクロメーターの種類や用途のまとめでした。
この記事が、マイクロメーターの理解を深めるのに役立つようなら幸いです。