機械工具

5種類の金属やすり(棒やすり)【特徴と用途】断面形状と表面の目で分類

金属やすりの種類【特徴と用途】

金属やすりは、研磨面が金属でできた工具で、金属や木材を丸くしたり、四角くしたり、角張らせたりするなど、用途に応じた形に削る・整える・仕上げるなどの用途で使用されます。

また、機械設備の場合は、部品が必要な大きさより大きい場合に、適度な大きさにするためにやすりを使用することもあります。

他には、切削工具が使えない場所や、切削工具の刃先を研ぐのにも使われます。

このような金属やすりですが、断面形状や研磨面の形状によって、様々な種類が存在します。

ここでは、金属やすりの種類、用途、使い方について解説していきます。

金属やすりの種類

ここからは金属やすりの種類を解説していきます。

平形金属やすり

平形金属やすりは、長方形の断面形状を持ったやすりです。

平形は、一般的に先端になるにつれて幅と厚さが先細になっています。

工作物の研磨工程で、仕上げするときによく使われます。

丸形金属やすり

丸形金属やすりは、丸形の断面形状を持ったやすりです。

丸形になっているので、穴の研磨をする際によく用いられます。

例えば、小径の鍵穴を仕上げるのに利用できます。

半円形金属やすり

半円形の金属やすりは、一方が平面で、もう一方が湾曲しているやすりです。

加工する素材の形にあわせて、平面と湾曲面を使い分けながら研磨できるのが特徴です。

三角形金属やすり

三角形金属やすりは、断面形状が正三角形になっているやすりです。

V字溝、正方形、長方形など60°以上90°未満の角度のものをこのヤスリで削ります

のこぎりの目立て(※)用にも使われます。

(※)のこぎりの切れ刃を鋭くする作業

角形金属やすり

角形金属やすりは、断面形状が四角形のやすりです。

先端はやや先細になっています。

長方形、正方形の溝や、キー溝などの研磨に使われます。

やすりの目の種類

やすりの目には、大きく分けて4つの種類があります。

単目

単目

単目は、一方向にのみ斜めに横切って走る平行な目がついているヤスリです。

金属表面は少量できれいに削れるため、研磨後の表面を滑らかにすることができます。

そのため、硬質金属の研磨や仕上げに使用されます。

複目

複目

複目は、下目に40°から45°の角度で互いに交差する目があり、上目には70°から80°で互いに交差する目があります。

交差した目は、金属をすばやく切断するのに適していますが、表面を滑らかにすることには適していません。

波目

波目

波目は、波状の目を持ったやすりです。

アルミニウム、亜鉛、銅、真ちゅうなどの軟質金属において、広い表面を研磨するのに使用されます。

鬼目

鬼目

鬼目は、三角形の膨らんだ太い目のついたやすりです。

工作物を粗く削り出すのに適しています。

木材、プラスチック、繊維、硬質ゴムの仕事、動物の角や蹄の研磨に使用されます。

金属やすりとダイヤモンドやすりの違い

やすりの素材には、金属素材以外にもダイヤモンドがあります。

ダイヤモンドは砥粒の密度を高くすることで研磨力をさらに上げることができ、超硬合金、焼入鋼、ガラス、セラミック、刃物を研磨する力を大きくすることができます。

ただし、あまり強い力で研削すると剥がれやすいので、荒削りには向いておらず、少しずつ研磨するのに適した材質です。

硬いものの加工に適したダイヤモンドやすりですが、軟鉄やアルミ、木材など柔らかい材料を加工すると、すぐに目詰まりを起こしてしまいます。

工作物の材質、研磨の目的にあわせて、金属やすりとダイヤモンドやすりを使い分けるようにしましょう。

やすりの使い方・注意点

やすりの使い方と注意点です。

  1. 作業内容に応じて、適切な種類のやすりを選びます。
  2. 小さなやすりには小さな柄を、大きなやすりには大きな柄をつけるとよいでしょう。そうしないと、力が入りにくく作業に無駄が生じてしまいます。
  3. 右手でやすりの柄を持ち、左手でやすりの先端をバランスよく持ちます。(利き手が右手の場合)
  4. やすりをかけるときは、左足を前に出して、右足を少し後ろにしておきます。(利き手が右手の場合)
  5. やすりに力を加えるときはヤスリを前に出すときで、後ろに戻すときは大きな力をかけないようにします。
  6. 手だけがやすりと一緒に動くようにし、体全体は動かさないようにします。
  7. やすりを動かす速度は、1分間に30から35往復(2秒で1ストローク往復)の速さを目安にします。

なお、やすりを使用する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 作業内容に応じてやすりを選択しましょう。
  • 取っ手のないやすりは使用しないようにしましょう。
  • 新しいやすりを使うときはは、まず柔らかい金属に使用し、次に固い金属に使用しましょう。
  • 大きな材料を削る場合は、まず他の工具で切削した後に、やすりがけをしましょう。
  • 板金のヤスリがけをするときは、両側に木材を挟み込んでバイス(万力)に固定しましょう。また、板金がバイスから大きくはみ出ないように注意しましょう。
  • 金属粉がでた場合は、定期的にブラシできれいにするようにしましょう。
  • ヤスリが過度に熱を帯びないようにしましょう。
  • ヤスリに油やグリースを塗らないようにしましょう。

まとめ

金属やすりの種類、特徴、使い方のまとめでした。

この記事が、金属やすり選定の参考になるようなら幸いです。

なお、「どの金属やすりが適切なのか、わからない」と思うなら、複数の形がセットになった金属やすりセットを購入することをおすすめします。